2012.9.29 sat. - 10.8 mon.
平川 鐵雄 展/Tetsuo Hirakawa 陶器
知っている人にとっては、見てすぐに分かる平川鐵雄さんの器です。また、初めて目にする人にとっては、存在感があり気になる器です。
平川さんの器は、日本の焼き物特有の“詫び”“寂び”の趣とは少し異なります。てらいがなく、土がもともと備え持っている味わいが生かされています。それらは、料理でも花でも受け入れることを待ち望んでいるかの如くの佇まいです。
平川さんは日本全国をトラックで巡り、自ら採集した原土を素材としています。もちろん釉薬も作るし、色味となる鉱物も自分で採集します。
そして、こちらの意図どうりに納まりきらない自然の混じり物や成分に、期待を持って対峙していきます。常に、土・釉薬・焼くという出発点に戻って制作を続けている平川さん。「この焼き物の仕事をずうーっと続けられたらいいな、、、という、ただそれだけの平常心で作り続けています」と。
D.M.写真の器の黒っぽい部分は、居住地である茨城県守谷の崖から採った“鉄になりかけの岩盤”を砕いて粉にしたものだそうです。かつて採集した、瀬戸市長久手の土を使った粉引の器も加わります。
いくつあっても使い道が楽しい、料理映えのする器です。