2012.10.10 wed. - 10.17 wed.
松下 高文 展/Takafumi Matsushita ガラス
松下高文さんのガラス器は、多彩な色を取り込みながらも、色調が明るく心が弾みます。繊細で複雑なパーツを閉じ込めた手の込んだ技法ですが、愛らしい印象のガラス器です。
その行程は、バーナーワークで事前に準備したガラスのパーツを装飾文様として仕上げるという、狙いと勘所が必要とされる職人芸でもあるのです。「パーツと色彩選びのリズムが感覚的な作業になってきて、絵を描いているようで楽しいです。いつも新しい発見があって飽きる事がありません」
ガラス制作は、常に技術の選択を余儀なくされます。松下さんは、今回の個展で「ピンブロー」という技法を取り入れた作品も試みています。「バーナーで作った同じパーツを、宙吹きとは違う技法を取り入れることによって、どんな感じになるのかやってみたくなりました。ピンブローを個性にしている作家もいることだしちょっと遠慮気味だったのですが、、、、。今だったらテクニックの一つとして、自分の作業ができるかなと思っています」と。
2006年のサボア・ヴィーブル初個展は、松下さんにとってプレッシャーと同時に、作家意識に目覚めた貴重なきっかけだったそうです。以後試行錯誤があって、まさに個性が確立されようとしている松下さんの6回目の個展です。