2013.11.7 thu. - 11.14 thu.
五味 謙二 陶 展
土が本来持っている特性を生かすべく、常に謙虚に、真摯に、自問自答しながら制作を続けている五味謙二さん。その制作行程には、惜しみない手間と時間が費やされています。
土の表面を叩いたり、伸ばしたり、何度も引っ掻いて顔料を塗り込んだり、、、。 厚い皮膜で被って本焼きした後、剥がすことでまた削ったり、磨いたり、、、と。 「長い時間浸食された土器の質感や息づかいに魅せられる」と言う五味さんにとって、その行程の中で思いがけない質感や色合いとの出会いがあり、まるで発掘気分だそうです。
「いずれ釉薬の仕事もやりたいという思いは前々からありました。今回いろいろ挑戦してみて、ガラス釉が自分の作品に合っていると判断。『溶ける』『流れる』『溜まる』という釉薬の特性をどう狙っていくか、、、ということにたどり着きました」
「ずうっとカサッとした質感と対峙してきたので、ピカピカしているものが新鮮で楽しいです」と話す五味さん。 五味さんの土味の上に、しっとりとした色あいで溶けたガラス釉が効果的な皿や蓋物などの新作が揃います。
ちなみにD.M写真の水差しの蓋は、紫と白のガラス釉。 新たな五味作品との出会いにワクワクする展覧会です。