2013.12.18 wed. - 12.27 fri.
鈴木 秀昭×小山 泰之 展
pandora's pithos〜工芸的クリエイション針路〜
鈴木秀昭さんの作品は、細密画のごとく果てしなく描き込まれた文様と、金彩を含む多彩な色合いが特徴です。曼荼羅、天空、宇宙と、どんどんトランス状態に陥りそうな衝撃的な世界です。
「年齢を重ねていくと、作り手として刺激が足りなくなっているな!と感じます。解決策として他の作家とコラボし作品を競い合うことで、純粋な刺激を高めたいと思うようになりました」 そんな中で鈴木さんが出会ったのが、若き造形作家小山泰之さんでした。素材はアルミフォイルという身近なもの。手作業で圧縮したパーツをモティーフに、平面作品やジュエリー作品の制作をしている作家です。 「手仕事という工芸の視点に、アートアプローチをプラスしていく小山さんとの出会いは、なにかと刺激的です」と、鈴木さん。
一方、小山さんは、、、。 「『丸める』という行為はとても原始的なものです。子供の頃に泥だんごをつくって遊んだように。僕の仕事はそんな単純なひとつの行為をただひたすら毎日繰り返し、ミニマルな方向へと向かっていきます。鈴木さんは、隙間を埋め尽くすように細密にどんどん描くことで、加える方向に向かっていきます。 手作業=工芸という意識の中、正反対の方向に向かって挑戦している二人だからこそ、今回のコラボの面白味があるんだと思います」と。
“パンドラのつぼ(pithos)の最後に残っていたのは『希望』だった”というギリシャ神話になぞり、正反対な二人が、工芸的な意味合いでの『希望のひとつのかたち』を表現しようという試みの展覧会です。
空間の構成や演出、今回の展覧会の為に制作された映像も見所です。