2004.12.17 fri. - 12.26 sun.
東 日出夫 展/Hideo Azuma 漆
2004.12.17 [fri] – 12.26 [sun]
今の時代、日常に華を添え、惜しみなく使ってみたくなる漆器とは?と、、、
修得した鎌倉彫の伝統的な技法と漆の特質を活かした漆器を、ずっと模索し続けている漆芸作家です。
サボア・ヴィ−ブルでは1983年の個展以来ご縁の深い作家です。
世にモノがあふれ、お金さえ出せば、あたり前になんでも手に入ったバブル期後半頃の事です。
「あえて今、自分が欲しい物って何かな?」と東さんは立ち止まりました。皆が合理性に目を向けている時、「ここまでもやるか、、、」と、手仕事の価値は費やした時間にもあるのでは?と発奮。
ずっとご披露してなかった鎌倉彫の技法を用い、信じられない程の時間をかけて俵屋宗達の『風神 雷神』を彫った椀を製作しました。それはとても衝撃的で、今でも語りぐさです。私も自分の仕事の意味を改めて再認識させられた出来事でした。
50才代になった東さんは、軽やかにさり気なく、でも人の印象に残る漆器作りに励んでいます。
文字好きな東さんならではの古文字椀、ドキッとするキッチュな絵柄の漆絵椀など、忘れかけた過去の記憶を呼び覚まされるような、東日出夫の漆器展です。