2015.2.21 sat. - 3.1 sun.
角谷啓男 展「Landscape」
淡雪がつみかさなりあたりいちめん真っ白け
人も動物も木立も精霊もみんな同じく包まれて
呼吸の音も雪の隙間に吸い込まれ
空と山とのあいだが曖昧になり
山と大地のあいだが曖昧になり
大地と生き物とのあいだも曖昧になる
そんな哀しい景色がときおり飛来する
白い磁器と化した野菜や果物が、氷のようなガラスに埋まっている不思議な世界。ごく身近にある物が、モノトーンの世界に閉じ込められた陰影の景色。角谷啓男さんは陶芸作品を制作する中で、同じ窯でコントロールできるガラスの素材に注目。ふたつの違う要素を生かし、互いが効果的に引き立て合う事を狙って、個性的な作品を制作しています。
1980年、帯広生まれの角谷さん。「最近気づいたんですが、生まれ育った環境が影響しているのでしょうか?モノトーンの世界に惹かれます。陰影だけで見えてくる景色が好きです」と。
東京藝術大学在学中は、抽象形体にこだわった陶作品を作っていたそうですが、「今は、作為的に形を創ることから離れています。身近にある物をそのままの形で閉じ込めて、どうフィクションの世界に作り上げていくか、、、ということが面白いです」
サボア・ヴィーブルでは初個展。野菜、果物をモティーフにしたオブジェを始め、葉っぱをモティーフにした壁掛けの平面作品や球体の花器などが出品されます。眼にするのは初めて、、、という方も多いかと? 工芸のジャンルに留まらない、角谷さんの世界に触れてみてください。