2015.5.2 sat. - 5.10 sun.
鎌田 克慈 展
鎌田克慈さんは、フォルムに対する自分の美意識にこだわり、『乾漆』という技法を用いて漆器を制作しています。微妙に揺らいだライン。薄くシャープな今様の形。選び抜いたフォルムを原型にして麻布を重ね、漆で固める『乾漆』と言う技法だからこそ可能になる、鎌田さんならではの漆の器です。
心地の良い有機的なバランスをねらって粘土で形を整え、素焼きにした陶器を原型に乾漆の器を制作していた鎌田さん。今、新たなシリーズが加わりました。それが今回のD.M.作品です。
「かつてから中国の宋の時代の磁器が好きでした。その輪花の形を模して乾漆の器を作ってみました。この先、いろいろな輪花のシリーズの展開も暖めています。また艶のある仕上げの蓋物など、ハレの器を意識した新作も作りました」と。
見慣れている漆器の印象に捕われず、シャープで緊張感のある漆器という新しい方向を目指し、日々挑戦している、鎌田さんの意欲的な個展です。