2007.10.4 thu. - 10.11 thu.
丹羽 シゲユキ 展/Shigeyuki Tanba 磁器
2007.10.4 [thu] – 10.11 [thu]
白夜想即興–––––
「今宵密ひとしづく」「今宵密たゆたふ」「まどろむかたち」
これらは、昨年の個展に出品された作品タイトルです。
今年の展覧会タイトルは「白夜想即興」
言葉を創るのが好きで、すべてご自分で考えるそうです。
そして、これらの言葉が持つ印象にぴったりのモノが、丹羽さんの手から生まれます。
その制作工程は、集中力と根気で成り立っているといってもよいでしょう。
まず始めに、ある程度の厚さのあるおおよその形を作り、半乾きになったらカンナやナイフでラフに削り出し、完成に近い形で素焼きをします。
そしてさらに面の部分を磨き、満足のいくしなやかなカーブを際立たせたところで、本焼きをします。さらに軽くペーパーを当て、肌触りのよい質感にまで仕上げます。
“昨年までは、立体の装飾性として「ライン」の構成にこだわり制作してきましたが、今回は「面」の構成で、動きを強調した立体作品に挑んでみたくなりました”と丹羽さん。
昨年、北海道の広い工房に移ったことも影響しているのでしょうか。
“もう少し大きいものが創りたくなりました。また、用途が備わってもかつ、美しい形を追いかけてみたく、片口をいろいろ創ってみました”とも。
狙ったフォルムに近づけようと、手捻りの技法も加えました。
また、ラスター彩という新しい色合いも増えました。
研ぎすまされた美しい形を求めて、ひとつひとつていねいに創られた作品です。
今回は“使う”という要素も加わり、よりいっそう所有欲がかきたてられます。