2016.9.16 fri. - 9.25 sun.
寺井 陽子 展 『此処』
寺井陽子さんの陶作品は「佇まい」という言葉が似合います。居心地の良いフォルムには、生命体の空気感さえ感じられます。しなやかさ、匂い、感触など、寺井さん特有の五感がかもし出す表現の姿なのでしょう。
『日々に起るちょっとした感触が、密かにラインになって現れ、作品に変化を与えてくれるように思います。現在の私と惹きあうモノを作り続けたいと思います』1998年に寺井さんが書かれた文章ですが、まさに今回の展覧会「此処」の所以です。
「此処に来て五度の四季を暮らしました。楽しみに待つものもあれば、またかというものも。今までとは違った自然環境に暮らし、見つめ感じたものをかたちにしてみました。平面作品と器とを同じ空間に並べ、今の私が描く四季花木図です」と。
平面作品は用途を切り離したことで、寺井さんの新たな表現世界が広がっているようです。楽しみです。