2009.12.10 thu. - 12.17 thu.
寺井 陽子 展/Yoko Terai 陶器
2009.12.10 [thu.] – 12.17 [thu.]
“水に浮かぶカタチ”
“かたまりなのに、軽さを感じさせるモノ”
寺井陽子さんにとって、こんな気分が新たなる制作感覚のようです。
「あえて意識していたフチの薄いフォルムを遠ざけ、頭で考えることなく、厚みのあるもの、柔らかい感じのものを創ってみたくなりました」
寺井さんから生まれる作品には、無理に創り込もうとしない、心地よいバランス感覚があります。
それらは、自然界の生命体が、結果的に保っているフォルムを感じさせます。
土に対する本能的な体感を持ち合わせている、稀な陶芸家なのでしょう。
「焼き物」ではないものを触るのが大好きという寺井さん。
厚みのあるドアの取っ手、バレエのトウシュウズ、まあるいキノコ、木の実、花びらなど、など。
その質感も含め思わず触ってみたくなるものが、日常の中にいっぱいあるそうです。
「今までは、考えたテーマに添ってカタチを生み出そうとしていました。ここにきて、カタチを生み出そうとする手の感触を解放し、勝手に創っている自分を面白がり、より増殖しようとする気持ちに添って制作していたいと思うようになりました。初心に戻ったということなんですけれど、、、」と。
今、新たな自分を見つめ、どんな変化も面白がって、解き放たれようとする寺井さん。
この時期、改めて楽しみな個展です。