2010.3.9 tue. - 3.18 thu.
鎌田 克慈 展/Katsuji Kamata 乾漆
2010.3.9 [tue.] – 3.18 [thu.]
薄くシャープな今様のフォルムに、伝統ある漆特有の色あいが印象に残ります。
鎌田克慈さんの漆器は、すべて“使う”ことを目的に制作されています。
「ガラスや焼き物の素材が持っている、微妙に揺らいだラインがとてもきれいで好きです。漆でそれを表現するには、乾漆の技法しかないと思って選びました。木の素材では出せないカタチを追っかけていたら、副産物としてこの薄くて軽い器に至りました。奇抜ではなく、使いやすい日常の器を作りたいと思っています」
今どきの料理を意識して、皿類のバリエーションを広げて制作している鎌田さん。
また、乾漆での成形後、“木”の高台を後付けするなど、手をかけ、使いやすさにも考慮した器作りをしています。
「僕にとって、漆を塗って器を作ること、サーフィンをすること、オフロードバイクに乗ること、その他、サッカーをすることや友達と飲みながら語り合うこと、、、。すべてが欠かせないものであり、どれが上でも下でも無いんです」
地味で、陰気で、単調な仕事と言われがちな “漆芸”というジャンルのなかで、「自分は“幸せ”を感じながら仕事をしています」と、言い切る鎌田さん。
素材を意識し、フォルムという自分の美意識にこだわる若手の漆芸作家です。
サボア・ヴィーブルでは初個展。楽しみです。
鎌田克慈HP