2010.3.30 tue. - 4.8 thu.
及川 みのる 展/Minoru Oikawa 陶器
2010.3.30 [火] – 4.8 [木]
埴安姫(はにやすびめ)・・・土をつかさどり守る神。土の神。「広辞苑第四版」
ヒメは自然のいたる所に在リマス。
そおっと、そおっとうやうやしく接するのデス。
『ヒメ、ゴキゲンハ、イカガデスカ?』
「土人玩具/ツチノオモチャ」「土鎮玩具」「ナチュラルブッダ」と、サボア・ヴィーブルでの展覧会を重ねて下さっている及川みのるさん。今年のタイトルは「埴安ひめ」とのこと。
及川さんは、かつて、仏師になりたいと思っていたそうです。「仏様を彫る人のように、自然の素材からカタチを見い出したいと願っています。自分が感じるヤオヨロズの神を、身近な存在としての“人の顔”を借りて表現したいと思っています」土を素材に、根底にあるその想いはずっと変わらないようです。
一方で、玩具(オモチャ)は、学生の頃からのテーマだそうで。「触ると動いたりと、ゲラゲラ笑って喜んでもらえることの方が好きです」
とらわれることなく、自然体で、感謝の念を持って、、、常に“原点”でありたいと願って、土という素材を借りて制作に励む及川さん。「作品を創っているより、眺めている時間のほうが多いです。制作しているその娘のバックグラウンド、ストーリーなどあれこれイメージが膨らんで、つい、いつまでも手を加えてしまいます」と。
自分の中にずっと重くのしかかっていた何かから解き放たれたのでしょうか。結果を意識せず、“表現すること” “カタチにすること”が、自然で当たり前の心境になりつつあるように見受けられます。
クスっと笑ってみたものの、切なくもの哀しい気持ちにさせられる作品です。
及川みのるさんの世界を、ぜひ感じてみてください。