2010.5.8 sat. - 5.16 sun.
すずき あきこ 展/Akiko suzuki 陶磁器
2010.5.8 [sat.] – 5.16 [sun.]
『旅の風、たねが踊る』
すずきあきこさんならではの特異なタイトルに、その思惑をたずねてみました。
「気持ち良さそうにタンポポの綿毛が舞っている光景を目にしました。風まかせのタンポポの気持を考えた時に、アスファルトの隙間に落ちようか? 広い野原に落ちようか? と、タンポポの意志もあるのかな、、、と思いました。自分は自分の意志で決めたことに従って生きていると思っているけど、実は風に吹かれて、恩恵を被っているんだとしみじみ思いました」と。
すずきあきこさんの心の中には独自のアンテナがあって、いつもなにかと交信しているようです。
そして、あたりまえに見過ごされていく情景や人の表情・しぐさなどから、たくさんのメッセージを拾ってしまう能力にたけています。
器に描かれた細かい描写による絵付には、すずきあきこさんならではの完結したお話が詰まっています。
手びねりで作られた壁掛けの作品も、情報満載で表情が豊かです。
尋ねれば、彼女の口からそのルーツとなったお話を聞くことができます。それは、とても楽しいものです。
「今回の個展に向けて、急須をいっぱい作りました。なにも考えないで作れる手びねりの作品と、気を使って手間をかけて作るろくろの器と、とても対照的なので両方楽しいです」と。
最近は、絵付のための水墨画を習ったりと、陶芸作家としてなにかを表現していこうと意欲的です。
すずきあきこさんにとって陶芸は、言葉に変わる大切な表現手段なのでしょう。
ストアコラムのカテゴリー『つくる・人』 ぜひご覧下さい