2010.6.15 tue. - 6.22 tue.
九谷青窯 展/Kutani-seiyo 陶磁器
2010.6.15 [tue.] – 6.22 [tue.]
九谷青窯は、15〜20人の陶工たちで成り立っている陶工房です。
秦耀一さんのもと、1973年開設以来、日常使いの器を作り続けています。
分業というシステムではなく、一人一人が最後まで仕上げるという、個人作家と同じ行程を経て出来上がった器には、手仕事の良さが残されています。
古染付、古伊万里など、旧き良き陶磁器の匂いを残しながら、さらっと描かれた染付けの絵柄。
グレーがかった九谷の生地の風合いが生かされた、白磁の李朝風の器。
そして、なによりも買いやすい値段。
骨董が好きだったり、友禅の絵師だったりと、特に陶芸を学んだことのない者たちが集い、既存の流通に煩わせられることなく、ごく日常に使いたい器を世に出そうと始まったのが、九谷青窯です。
作り手、使い手、売り手と、ダイレクトに関わる販売システムのきっかけをつくったのも九谷青窯です。
37年という年月の間に、多くの陶工が独立し、それぞれの時代にそれぞれの個性で活躍しています。
そして今、お刺身は“カルパッチョ”に、うどん、そばは“ラーメン”や“フォー”に、パスタメニューは日常食にと、食生活は当時とは全く様変わりしました。
そんな料理に見合った器を、、、と、現在、九谷青窯在籍の若手陶芸家による“今様、九谷青窯うつわ展”です。
ぜひ、ご覧下さい。
はるか1977年6月に創刊された工芸誌「無尽蔵」の創刊号に、九谷青窯を始めたばかりの秦さんが文章を寄せています。
そして当時の同志、中尾万作さんがこんな詩を添えています。
創るものは皆 拙なきものばかりなり
毎日喧嘩をし 憎まれ口をたたくが
笑いの絶える時なし
かなしい事 うれしい事 さみしさや
楽しさ 苦しさは皆 泥にまじりて形と成す
ぶさいくなぐい呑みは
腹をすかした時の出来なり
大きな絵皿は 幼き頃の残像を写し
今日のたのしさは 秋草の徳利と化す