2010.10.13 wed. - 10.21 thu.
平川 鐵雄 展/Tetsuo Hirakawa 陶器
2010.10.13 [wed.] – 10.21 [thu.]
「作家モノ」の器を愛好している人なら、すぐに判るのが平川鐵雄さんの器です。
自然にある“土”が“焼き物”となり、ある形をもって存在しています。
ごそっと重たそうで、てらいが無く、存在感あふれる器です。
それらは料理でも花でも、他を受け入れることを待ち望んでいるかの如くの佇まいです。
平川さんの制作は、東北・関西・東海地方など、トラックで土を採集することから始まります。均一に焼き上がる土や、意図どおりに収まってくれる土を求めるのではなく、あえて自然の混じり物や成分を多く含んだ土を、期待をもって選んでいきます。
もちろん、釉薬となる灰も燃やして自ら作ります。
“土”“釉薬”“焼く”という焼き物の出発点に戻って、それぞれの掛け合わせの関係を選択し、仕掛け、炎の神様に託して制作を続けている平川さんですが、、、。
「ここにきて、土を掘りに行っても、公共事業がないので造成地がほとんどありません。灰を作ろうとしても焚き火にさえ制限があったり。本当に制作しにくい時代になってしまいました」と。
平川さんは、大病を乗りこえての今回の展覧会です。
息子さんの現さんが平面作品でコラボレーションし、二人展です。
「なにしろ飽きたことがない。辞めたいと思ったこともない。売れても売れなくても変わらず同じ気持ち。この焼き物の仕事をずうーっと続けていけたら良いなあ、、、という、ただそれだけの平常心で作り続けています」と。
平川鐵雄さんの心意気を感じていただければと思います。
長いお付き合いの中、今回サボア・ヴィーブル初の「親子展」。改めて意味のある楽しみな個展です。
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