2011.11.19 sat. - 11.30 wed.
鈴木 たもつ 展/Tamotsu Suzuki 陶器
2011.11.19 [sat.] – 11.30 [wed.]
すずきたもつさんの作品の魅力は、そのフォルムと質感が持つ、気持の良い納まり具合でしょうか。
それが焼き物だと知って、同時にホッとします。
機能を持たないアート作品なのですが、場の空気になじんだ親近感があります。
すずきさんは、インスタレーションという空間を使った作品展示を続けています。
「もともとは、器という工芸の表現が好きで陶芸にアプローチしたのですが、器を作っていく中で、土という素材が持つ可能性に触れ、造形へと移行していきました」
長い間、白と黒のモノトーンな植物のモティーフが、すずきたもつさんの作品イメージでした。
2年ぶりの今回の個展では、カラフルな蝶が約100匹、壁に舞います。
「今まではモティーフが持っているイメージを排除しようと、色が付くことで具象に近づくことを避け、モノトーンにこだわって制作してきました。2年前に子供が生まれ生活環境が変わりました。まず色に興味を示す子供の反応を見て、色を使うことに抵抗がなくなりました。人に直接的な影響を及ぼす色を使ってみることで、より開放的になった自分を感じています」と。
本焼きの後に、顔料や染料をそのまま使って着色された色合いは、すずきさんらしい、自然界にあるアースカラーで統一されています。
インスタレーションとしても、小さなひとつの平面オブジェとしても見応えがあります。
自分の生活空間に、センス良く取り入れてみたくなる蝶のいろいろです。