2012.1.7 sat. - 1.29 sun.
立花 英久 展/Hidehisa Tachibana 彫塑
2012.1.7 [sat.] – 1.19 [thu.]
「東京」 ーレアリテと僕との間でー
立花英久
ここに来て、もうずいぶんと時間がたった。生まれ、育てられた場所に置いてきた時間をとっくに過ぎてしまっていた。僕はなぜ、東京にやって来たのだろう。最近そのことばかりを考えているのだった。なんのためにここにいて、なにをしようとしたのか。それでもここにとどまろうとしている僕はいったいなにものなのか。父が倒れて、足も手もきかなくなったのをみてから、父のあとを継がなかったこととのひきかえに、僕はなにをし、なにをのこそうというのか。置いてきた時間がひっくりかえり、東京の中にこぼれおちてくる。
人が、人が、人が、
すれちがって、ぶつかって、
たおれても、たおされても、
おきあがれ
二本の足で立て
手の自由をとりもどせ
手を動かすことだけは、やめない。父からもらった手であることは、よくわかっているつもりだから。
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