「乾漆」とは、阿修羅像に代表される技法です。型に麻布を貼り重ね、漆で固め、型を取り除くという手法なので、最終のフォルムは自分の意図するところとなります。
自由な造形を楽しむオブジェ作家が多い中、鎌田克慈さんはシャープなフォルムと軽さを生かした器の制作に取り組んでいます。
参考となるような、旧くから伝え残された乾漆の器が少ないため、鎌田さんは、独自の試行錯誤の中で、こだわりを持って制作を続けています。
有機的で心地よい納まりを狙って、フォルムの基となる原型は、自ら作る鎌田さん。今回の個展では、日常使いを意識したカジュアルな印象の、サイズ違いの皿類がメインです。