2018.8.17 fri. - 8.26 sun.
有永 浩太 展
有永浩太さんは、「レースガラス」というベネチアングラスの技法に着想を得て、独特な表情を持つガラス器を作り続けています。
透けるような薄い布の質感を持つ『gaze』というシリーズは、ガラスが織物のように、光によって色々な表情を見せてくれます。
そして今回新たに加わった『netz』シリーズ。それは「網」という意味で、絡まり合った糸で柔らかく器の中の空間を包むイメージです。パーツの使い方の違いで表情を変えるという、高度なテクニックを持つ有永さんならではの作品作りです。
もともと、シルクロードの歴史や文献に興味があったという有永さん。「糸を取り出すようにガラスを伸ばし、手間をかけた独自の工程を経ることで、瞬間的に作られる吹きガラスの中に、糸によって構成される『時間』を内包できればと考えています」と。
サボア・ヴィーブルでの個展では、手の込んだシリーズで作品構成。今回は「netz」の花器をはじめ、「gaze」の酒器や脚付きグラスが出品されます。見応えのある有永さんの個展です。