2019.10.4 fri. - 10.14 mon.
皆川 禎子 展 | 幽き触手
くらげの触手は海中にたゆたい、長く細く、時には目に見えません。しかし、確実に存在する、、、そんなところに惹かれます。秋、海から人々の歓声が消えた後、ひっそりと触手を伸ばして漂うガラスのクラゲです。
皆川禎子さんはニッチ(隙間)な世界を求め、バーナーワークという技法で、驚くほど繊細で精巧なガラス作品を制作しています。
実にリアルなガラスの昆虫たちは、図鑑やマニアの方々の情報をもとに制作されています。一方、精巧なガラスのフィギュアたちは、読書好きな皆川さんが空想を膨らませた、小さくて、可愛くて、楽しい世界です。
今回のDM作品。長い潜伏期間を経てついに完成という、、、海中を漂う立体クラゲの蓋物です。
「幽けき」とは、今にも消えてしまいそうなほど、薄い、淡い、あるいは仄かな様子を表す語。皆川さんが求めている制作のテーマでもあるようです。