2019.10.18 fri. - 10.27 sun.
若林 幸恵 展 手刳りの器
硬い栗の木の塊を手で刳り抜き、ゼロから形を作るという、、、プリミティブなもの作りには、時を超えて生き続けるパワーがあります。
拭き漆仕上げで、手刳りの器をコツコツと制作している若林幸恵さん。かつて学生時代に、博物館で縄文時代の『木杓子』に出会った時、その泥臭い造形から木を彫った人のエネルギーを衝撃的に感じたと言います。手刳りの器を制作していると、ふとその原体験がよぎるそうです。
若林さんの作品の印象は、素材のエネルギーを感じさせる荒々しい形の器と、丸味をおびた愛らしい形の器との二種。そのどちらも、若林さんから生まれた形です。「根源的な生まれる時の形、パンが膨らむ形、クジラやイルカの頭の形など、自分は丸いものに愛らしさを感じていることに改めて気づきました。そして印象が違うどちらの形も、自分が手を下したからこの形になるんだ、、、と再認識しています」と。
この個展に向けて、時間をかけ作り貯めて下さった作品の数々。見応えのある手刳りの器展です。