2012.6.2 sat. - 6.11 mon.
井畑 勝江 展/Katsue Ibata 陶器
井畑さんと作品とは、かけ離れることなく、お互いの居場所がきちっと確認されているようです。かといって出来上がったモノは、どことなくシャイで色気があります。カタチも絵付も居心地良く納まり、ゆっくりとしたドットのリズムはもちろん、魚、鳥、兎、龍などの登場に、こちらもつい見入ってしまいます。
25年以上も前のことになるでしょうか。サボア・ヴィーブルを訪ねて、見せてくださった器の独特な世界観に魅力を感じて以来のご縁です。その後、いつになっても井畑さんのニオイは消えません。久しぶりの楽しみな個展です。
「ものは人なり」と、つくづく実感しています。彼女らしさを伝えたく、かつての井畑さんのつぶやきをあえてご紹介します。
●RAKUの仕事展 1997年 サボア・ヴィーブル 『土は、さわってベタベタ ひんやり気持ちよく、そして気持ちが悪いぐらい手のひだひだとぬくぬくを移しとってゆくのです。 これが。』
●井畑勝江のしごと 『足の下にある綿々と積み重ねられてきたモノを踏みしめながら、頭の上辺りからフワッと舞い上がっているモノをつかまえて、なんだか形が出来上がっていきます。さて、土は原始的な記憶装置です。土の上に付いてしまった 指跡こそが、オリジナリティーであると考えています。