2012.8.3 fri. - 8.11 sat.
工藤 和彦 展/Kazuhiko Kudo 陶器
工藤和彦さんの作品は「土もの」ながら、軽く硬い焼き上がりで、すっきりとした印象の器です。
地元、北海道旭川の原土をスコップで掘って採集し、昔ながらの「蹴ろくろ」で、ひとつ、ひとつていねいに形成されています。
『碗が二つ』の今回のD.M.は、2002年サボア・ヴィーブル初個展のD.M.を意識してのデザインだそうです。
スタートを切った当時から、今年で10年目となった展覧会。
自分なりにこの10年を振り返ってみようと、あえて同じ構図の写真にしたそうです。
「今までは軽やかな気分で、ただただ前を向いて外に向かって、自分らしいものをいろいろ作ろうとしてきました。北海道に移り住んで19年。最近、この土地に安住するような状況が次々と生まれ、腹が据わってきたのでしょうか。陶芸作家としての自分の心構えが変わったと実感します。意識を高く持って、どっしりとした仕事がしたいと思うようになりました」と。
「焼き物に対する嗜好が高い人にも、気に入ってもらえるもの作りを、、、」と、意識し始めた工藤さん。
初心を思い出し、成長した自分を励まし、、、という時期でしょうか。
「じっくりとものと対峙して制作していきたいと思います」という工藤さんの、今回の個展です。