2007.1.6 sat. - 1.14 sun.
五味 謙二 展/Kenji Gomi 陶器
2007.1.6 [sat] – 1.14 [sun]
早稲田大学人間科学部を卒業した仲間の間でも、その人柄と異例の職業選択に、大きな期待が寄せられている陶芸家です。
在学中、ゼミで滞在した沖縄の空気や時間の流れ方が、五味さんのアンテナを大きく変えたようです。
生まれ育った長野県茅野市で、よく目にした発掘された土器。また、修行していた沖縄の海で見た漂流物。
長い年月をかけて浸食された質感の美しさに魅せられ、色の異なる土の層を削り取っていく過程で、奥深さを表現しようと、行程の多い、時間をかけた陶器を制作しています。
五味さんの技法は、独特です。
轆轤、タタラ、ヒモ作りなどで成形したボディーをワイヤーブラシなどで引っ掻いて傷をつけ、そこに顔料や金属などを塗り込み更に引っ掻き、、、という作業を5〜6回行います。
その後、石と土からなる厚い膜で被って本焼き。
そしてこの被膜を剥がすところから、いよいよ彼の表現作業が始まります。
削ったり、磨いたりと、この行程には本焼成まで以上の時間を費やするそうです。おまけに、今回は再度焼成という試みも。
思いがけない色合いと質感の発見の中、作品のフィニッシュを決めます。『この作業は、発掘気分でワクワクします』という五味さん。
個展中も器の裏側を見せて,『これが、最高っす!』と、お気に入りの仕上がりをお客様にお勧めしたりと。
今回は、いままでの”かさかさ”したイメージから離れて、石のような意外性のある質感、キラキラした質感など、全く違う表情の仕上げにチャレンジ。
江戸時代の武士魂をこよなく愛し、刀剣博物館に通い、陶芸というよりも”土の味わい深さ”に魅せられた28歳。
”なによりも、マイペースで生きる自分でありたい”という、新世代を感じさせる若者です。
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