2009.1.6 tue. - 1.13 tue.
五味 謙二 展/Kenji Gomi 陶器
2009.1.6 [tue.] – 1.13 [tue.]
五味さんから生まれる焼き物は、“懐かしさ”と“目新しさ”が入り交じっています。
長い年月をかけて浸食されたような質感は、焼く前に、異なった土を何層も素地に塗り重ねてはこすり落とし、焼成の際に、特殊な被膜で覆って蒸し焼きにすることから生まれます。こうすることで、カサっとした質感を出すことができるそうです。その後、この被膜を剥がすところから表現作業が始まり、思いがけない質感と色合いの発見に出会いながら、仕上げに見切りをつけていきます。
発掘するかのような気の遠くなる作業と、若さを感じるフォルムが、五味さんの作品の持ち味です。
「たどりついた質感を、最終的にどういう形で生かしきるか、、、。そのためにも、もっともっと土のことを知りたいと、最近思います」
修業時代に過ごした沖縄の海に触発された『サンゴ手』や『白化手』の表現。また、パナリ焼きへの深い憧れなどを制作の基盤としてきた五味さんですが、今、改めて次のステップにさしかかっているようです。
「駆け足な感じで過ぎてきたこの3年間だったので、今回は今までやってきたことに、改めてじっくり取り組んでみたいと思っています。見えてきた欠点を改良しようとすると、ますます手数が増えて大変になるのですが、手を抜かず、もっとクオリティーを上げていきたいと思っています」
陶芸家として、常に目標を掲げて取り組んでいる五味謙二さんの、充実した制作意欲が伝わってきます。
改めて、今回も楽しみな展覧会です。