ーーーーー 冬の朝 まだ何にも汚されない白の造形 踏みしめる感触 私の胸は 悔しまぎれにハカハカする 送りだした車の音は すぐさま白に吸収され 色もない静寂の世界が残される 私も吸いこまれてしまう 刺激的で安らかな時間 猫とストーブの残り火にあたりながら 心に残るかたちを土にひねりながら 冬を惜しむ ーーーーーーー 寺井陽子